公営ギャンブル(公営競技)とは

日本の刑法は、賭博を原則として禁止しています。その中で例外として合法に賭けられるのが、競馬・競輪・ボートレース・オートレースの4つの「公営競技」です。公営ギャンブルとは、この公営競技を指す呼び方です。

刑法第35条は、法律にもとづいて行う行為は罰しないと定めています。公営競技はそれぞれ専用の法律にもとづいて、国の監督のもと、公的な団体や自治体が開催しています。そのため、お金を賭ける点は同じでも、賭博罪にはあたりません。

4つの公営競技:法律・所管省庁・開催者

競技根拠となる法律所管省庁主な開催者
競馬競馬法農林水産省JRA(中央競馬)、都道府県・指定された市町村(地方競馬)
競輪自転車競技法経済産業省都道府県・指定された市町村
ボートレースモーターボート競走法国土交通省都道府県・指定された市町村
オートレース小型自動車競走法経済産業省都道府県、指定された市や競走場のある市町村など

市町村が開催するには、総務大臣の指定が必要です。どの競技も、民間の会社が自由に開くことはできません。

払戻率:賭けたお金のうち、いくら戻るか

公営競技では、売上のうち払い戻しに回す割合(払戻率)の下限が法律で決められています。

競技法律で決められた払戻率の下限実際の払戻率
競馬(JRA)70%以上(上限は農林水産大臣が定める率)券種ごとに70%〜80%
競馬(地方)70%以上開催者ごとに定める
競輪70%以上おおむね75%
ボートレース75%以上おおむね75%
オートレース70%以上券種・開催により異なる

JRAの券種ごとの払戻率は次のとおりです(2014年6月から)。

券種払戻率
単勝・複勝80%
枠連・馬連・ワイド77.5%
馬単・3連複75%
3連単72.5%
WIN570%

つまり、賭けたお金の20%〜30%は払い戻されず、開催者の運営費や国・自治体への納付に回ります。長く賭け続けるほど、平均するとこの割合の分だけ損が積み重なっていく計算です。カジノゲームや宝くじとの比較は「賭けの還元率の比較」で解説しています。

20歳未満は買えない

公営競技の投票券は、20歳未満の人は購入できません。2022年4月に成年年齢が18歳に引き下げられましたが、法務省によると、公営競技の投票券の購入は引き続き20歳未満が禁止されています。

インターネット投票:公式のサービス

公営競技は、競馬場や場外の発売所だけでなく、インターネットでも合法に投票できます。

  • 競馬(JRA):JRAが運営する即PAT、A-PAT、JRAダイレクト
  • ボートレース:ボートレースの公式サービス「テレボート」
  • 競輪:公式サイトKEIRIN.JPのほか、開催者から車券の発売を委託された民間のサービス
  • オートレース:オートレース振興協会が開催者の委託を受けて運営するAUTORACE.JPなど

競輪とオートレースで民間のサービスが車券を発売できるのは、自転車競技法などで、開催者が車券の発売を民間に委託できると定められているためです。KEIRIN.JPが公表している委託先の投票サイトの一覧には、たとえばWINTICKET、チャリロト、オッズパークなどが載っています。当サイトは、特定の投票サービスと提携しておらず、利用を勧めることもありません。

売上の使い道

公営競技の売上は、払い戻しに回らない分が開催の費用や公的な目的に使われます。

競技主な使い道
競馬(JRA)売得金の10%を第1国庫納付金として国に納付(その一部が社会福祉に、残りが畜産の振興に)
競馬(地方)開催する自治体の財源
競輪売上の一部をJKAに交付し、機械工業の振興や公益事業への補助に
ボートレース売上の約3%を日本財団を通じて公益事業に、収益は開催する自治体の財源に
オートレース開催する自治体の財源と、JKAを通じた補助事業

JRAの2025年の売得金は約3兆5,178億円で、そのうち約3,518億円が第1国庫納付金として国に納められました。ボートレースの2025年度の売上は約2兆6,658億円です。

公営競技の依存症対策

ギャンブル等依存症対策基本法は、公営競技を対象に含めています。各競技の団体は、のめり込みを防ぐための仕組みを設けています。

  • JRA:本人や家族の申告による競馬場への入場制限、インターネット投票の利用停止、購入上限額の設定
  • 競輪・オートレース:インターネット投票の購入限度額の設定(限度額を上げる変更には一定の期間が必要)
  • ボートレース:入金限度額の設定、家族の申告による入場制限
  • 地方競馬:インターネット投票の利用の自己停止

やめたいのにやめられない、借金が増えている、といった場合は、各地の精神保健福祉センターで無料で相談できます。相談先は「ギャンブル依存症の相談先ガイド」にまとめています。

オンラインカジノとの違い

比べる点公営競技オンラインカジノ
日本の法律での扱い専用の法律にもとづき合法日本国内からの利用は賭博罪
開催・運営JRA・自治体など海外の会社
払戻率法律で下限、公表あり利用者には確かめられない
年齢確認20歳未満は購入できない日本の制度の外
売上の使い道国・自治体・公益事業海外の運営会社の利益

オンラインカジノの違法性については「オンラインカジノは違法?」でくわしく解説しています。宝くじやスポーツくじの仕組みは「宝くじ・スポーツくじ」、パチンコが合法な理由は「パチンコはなぜ合法?」で紹介しています。