控除率とは:払い戻されずに残る割合

控除率とは、賭けられたお金の総額のうち、払い戻しに回されずに主催者側に残る割合のことです。反対に、払い戻しに回される割合を還元率(払戻率)と呼びます。

関係 還元率(払戻率)+控除率=100%

公営競技や宝くじでは「払戻率」「控除率」、カジノのゲームでは「ハウスエッジ」(店側の取り分)という言葉がよく使われますが、考え方は同じです。

1万円を1回賭けたら、平均でいくら戻るか

主な賭け事について、1万円を1回賭けたときに平均して戻ってくる金額を比べました。戻る額が少ないほど、控除率が高いということです。

1万円を1回賭けたとき、平均して戻ってくる金額

日本で合法なものカジノのゲーム(日本国内で認められるのは、大阪IR開業後の施設内のみ)

日本で合法なもの

カジノのゲーム

ブラックジャック(基本戦略)約9,960円
バカラ バンカー9,894円
バカラ プレイヤー9,876円
ルーレット(0が1つ)9,730円
ルーレット(0と00)9,474円
バカラ タイ(8:1)8,564円
種類還元率控除率(ハウスエッジ)根拠
競馬 単勝・複勝(JRA)80%20%JRAが公表する払戻率
ボートレースおおむね75%おおむね25%法律で払戻率は75%以上
競馬 3連単(JRA)72.5%27.5%JRAが公表する払戻率
競馬 WIN5(JRA)70%30%JRAが公表する払戻率
宝くじ46.5%53.5%令和6年度の実績(当せん金の割合)
ブラックジャック(基本戦略)約99.6%約0.4%当サイトの試算(6デッキ、3,000万回)
バカラ バンカー98.94%1.06%当サイトの計算(8デッキ、すべての配り方を数え上げ)
バカラ プレイヤー98.76%1.24%同上
ルーレット(0が1つ)97.30%2.70%37マスのうち1つが0(1÷37)
ルーレット(0と00)94.74%5.26%38マスのうち2つが0と00(2÷38)
バカラ タイ(8:1)85.64%14.36%当サイトの計算(8デッキ)

公営競技と宝くじの数字は主催者の公表値、カジノのゲームは当サイトが計算した理論上の値です。カジノのゲームの数字はルールによって変わります。ブラックジャックのルールごとの違いは「ブラックジャックのルール」で紹介しています。

「控除率が低い=勝ちやすい」ではない

表を見ると、カジノのゲームは控除率がずっと低く見えます。しかし、これは1回賭けたときの数字です。平均して失う金額は、次の式で決まります。

計算式 平均して失う金額 = 控除率 × 賭けた総額

同じ1万円でも、勝ったお金をまた賭け、何度も賭け直していくと、「賭けた総額」はどんどん大きくなります。たとえば1万円ずつ100回賭けると、賭けた総額は100万円です。

1万円ずつ100回(賭けた総額100万円)平均して失う金額
ブラックジャック(基本戦略、約0.4%)約4,000円
バカラ バンカー(1.06%)約10,600円
ルーレット(0が1つ、2.70%)約27,000円
競馬 単勝・複勝(20%)約200,000円

1回の勝負が短く、何度も賭け直すゲームほど、賭けた総額は早く大きくなります。控除率が低いゲームでも、続けるほど平均の損は大きくなり、どのゲームでも、平均すると主催者側が得をする仕組みは変わりません。ギャンブル漫画やアニメには、読みや駆け引きで勝負が決まる場面がよく登場しますが、カジノゲームの控除率は、読みや度胸では変わりません(「ギャンブルアニメ・漫画の名作5選」)。

公営競技と宝くじ:控除率は法律で決まっている

公営競技や宝くじでは、払い戻しの割合が法律で決められています。

  • 競馬(JRA):払戻率は券種ごとに70%〜80%。単勝・複勝が80%、WIN5が70%です。
  • ボートレース:法律で払戻率は75%以上と決められています。
  • 宝くじ:法律で、当せん金の総額は発売総額の5割を超えてはならないと決められています(キャリーオーバーの繰越分を除く)。令和6年度は、売上7,598億円のうち46.5%が当せん金として支払われ、36.2%が収益金として発売元の都道府県や指定都市の公共事業などに使われました。

控除された分は、運営の費用のほか、国や自治体の財源、公益事業に回ります。くわしくは「公営ギャンブルとは?」「宝くじ・スポーツくじ」で解説しています。

パチンコ・パチスロ:ひとつの数字では示せない

パチンコ・パチスロの還元率は、機種と店が選ぶ「設定」によって変わるため、ひとつの数字では示せません。パチスロの出玉は、国家公安委員会規則で上限と下限の範囲が決められており、長く回すほどその範囲内に収まるように作られています。仕組みは「スロットの仕組み」で解説しています。

オンラインカジノの「還元率」は確かめられない

オンラインカジノのサイトでは「還元率96%」のような数字が示されることがありますが、日本の利用者がそれを確かめる方法はありません。運営は日本の制度の外にあり、日本の当局が数字を確認する仕組みもありません。そもそも、日本国内からオンラインカジノで賭けることは賭博罪にあたります。くわしくは「オンラインカジノは違法?」をご覧ください。

控除率からわかること

控除率がある限り、賭け事は長く続けるほど、平均すると主催者側が得をし、賭ける側が損をする仕組みです。「続けていればいつか取り返せる」という考えは、計算の上では成り立ちません。

楽しむために遊ぶなら、使ってよい金額と時間を先に決め、負けを取り戻そうとして続けないことが大切です。やめられないと感じたら、「ギャンブル依存症の相談先ガイド」の窓口に無料で相談できます。