大阪IRとは:カジノを含む「統合型リゾート」

IRは「Integrated Resort(統合型リゾート)」の略で、国際会議場や展示場、ホテル、レストラン、劇場などのエンターテイメント施設と、カジノをひとつにまとめた施設のことです。日本では2018年に成立した特定複合観光施設区域整備法(IR整備法)によって、国が認めた区域に限ってIRを整備できるようになりました。

大阪IRは、この法律にもとづいて国の認定を受けた、日本で最初のIRです。大阪府は2030年(令和12年)の秋頃の開業をめざしています。実現すれば、日本国内で初めて合法にカジノで遊べる施設になります。

大きなリゾート施設を断面にしたイラストで、ホテルや国際会議場、展示場、劇場が大半を占め、カジノは片隅の小さな部屋だけになっている

IRの中心は会議場やホテルなどで、カジノ部分は床面積の3%以内と、IR整備法にもとづく政令で決められています。

大阪IRの基本データ:場所と開業時期

項目内容
開業の目標2030年(令和12年)の秋頃
場所大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」、全体約49ha
運営会社MGM大阪株式会社(中核株主は日本MGMリゾーツとオリックス、ほか関西を中心とする22社)
資金調達の総額約1兆5,130億円
主な施設国際会議場、展示場、ホテル、レストラン、エンターテイメント施設、カジノ
カジノ部分の広さ施設全体の床面積の3%以内
年間の来場者見込み約2,000万人(国内約1,400万人、国外約600万人)

数字はいずれも大阪府の公表資料によるもので、来場者数などは計画段階の見込みです。

大阪のカジノはいつ、どこにできるのか

「大阪のカジノ」と呼ばれているのは、この大阪IRの中に設けられるカジノのことです。場所は大阪湾の夢洲で、開業は2030年秋頃の予定です。カジノ部分の広さは施設全体の床面積の3%以内に限られ、IRのごく一部です。

開業するまで、大阪にも日本のほかの場所にも、法律で認められたカジノはありません。「カジノ」をうたって現金を賭けさせる店や、オンラインカジノは、どれも法律で認められたものではなく、賭けた人も刑法の賭博罪の対象になります。大阪のカジノを日本人や日本に住む外国人が利用するときの条件は、次の項目で説明します。

日本人がカジノに入場するときのルール

大阪IRのカジノには日本人や日本に住む外国人も入れますが、海外のカジノと比べて厳しい条件があります。IR整備法で次のように決められています。

ルール内容
入場料1回(24時間)につき6,000円(国3,000円+大阪府・市3,000円)
入場回数の上限7日間で3回まで、28日間で10回まで
本人確認マイナンバーカードを使った入場の管理
年齢20歳未満は入場できない

入場料は運営会社の売上ではなく、国と大阪府・市に入るお金です。何度も通うことを抑えるために設けられています。日本に住んでいない外国人の旅行者には、この入場料と回数制限はかかりません。日本人は、海外に住んでいても対象です。

カジノ以外に何ができるのか

大阪IRの中心は、国際会議や展示会を開ける大型の施設と、ホテルなどの観光施設です。ビジネスの会議や見本市を誘致し、観光客を呼び込むことが大きな目的とされています。

カジノ部分は施設全体の床面積の3%以内と、IR整備法にもとづく政令で上限が決められています。それでも、IRの運営を支える収入の多くはカジノから生まれるとみられており、カジノの収益の一部は納付金として国や自治体に納められます。大阪府は、納付金と入場料によって、大阪府・市に新たに毎年約1,060億円の収入があると見込んでいます。

経済効果の見込み

大阪府は、大阪IRの経済効果を次のように試算しています。

  • 建設時の経済波及効果:約2兆3,700億円、雇用創出効果:約17.5万人
  • 開業後の毎年の経済波及効果:約1兆1,400億円、雇用創出効果:約9.3万人

これらは計画段階の見込みです。実際の効果は、開業後の来場者数や景気によって変わります。

ギャンブル依存症への対策

カジノができることで心配されるのが、ギャンブル依存症です。カジノ管理委員会は、ゲームに触れる機会を限ること、客を呼び込む際の規制、厳しい入場規制、カジノ施設内での規制、相談や治療につなげる取り組み、という何重もの対策を示しています。

大阪IRでは、入場料と回数制限に加えて、次のような対策が計画されています。

  • スタッフの目視とICTを組み合わせ、問題のあるギャンブル行動を早めに見つける
  • 賭け金額や滞在時間の上限を自分で設定できるプログラムを導入する

ギャンブルの問題で悩んでいる場合の相談先は「ギャンブル依存症の相談先ガイド」にまとめています。

大阪IRをめぐる議論

大阪IRについては、計画の段階からさまざまな議論がありました。ギャンブル依存症の増加や治安への影響を心配する声のほか、埋め立て地である夢洲の地盤対策の費用や、開業時期の見通しなども議論の対象になってきました。開業までの進み具合は、大阪府・市の公式サイトで公表されています。

オンラインカジノとの違い

大阪IRが開業しても、オンラインカジノが合法になるわけではありません。日本で合法になるのは、法律にもとづいて認められたIRの施設内にあるカジノだけです。

比べる点大阪IRのカジノオンラインカジノ
日本の法律での扱いIR整備法で認められている日本国内からの利用は違法
監督する機関カジノ管理委員会日本の機関の監督外
日本人の利用条件入場料・回数制限・本人確認なし(利用自体が犯罪)
依存症対策法律で義務づけ日本の制度の外

オンラインカジノの違法性については「オンラインカジノは違法?」でくわしく解説しています。開業までの間に海外のカジノを訪れる場合の注意点は「海外カジノは違法?」で、近くの国と地域の入場ルールは「韓国のカジノ」「マカオのカジノ」で紹介しています。