パチンコは「遊技」として許可された営業
日本の刑法は賭博を禁じていますが、パチンコ店は風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)にもとづいて営業しています。風営法は、パチンコ店を「まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」(第2条第1項第4号)として定め、営業所ごとに都道府県の公安委員会の許可を受けることを求めています(第3条)。
つまり、パチンコは法律上、賭博ではなく「遊技」として扱われています。そのかわりに、風営法は賞品の出し方などについて細かな制限を設けています。
風営法第23条:パチンコ店に禁じられていること
風営法第23条第1項は、パチンコ店の営業者に次の4つを禁じています。
| 号 | 禁じられていること |
|---|---|
| 第1号 | 現金又は有価証券を賞品として提供すること |
| 第2号 | 客に提供した賞品を買い取ること |
| 第3号 | 遊技に使う玉やメダルを、客に営業所の外へ持ち出させること |
| 第4号 | 玉やメダルを客のために保管したことを示す書面を、客に発行すること |
このほか第19条は、遊技料金、賞品の提供方法、賞品の価格の上限について、国家公安委員会規則で定める基準に従うよう求めています。店が出せるのは、現金ではなく賞品だけ。そして店は、自分が出した賞品を買い戻すことができません。
三店方式の仕組み
ところが、店で受け取った賞品は、店の外で現金に換えられることがあります。その流れを説明するときに使われるのが「三店方式」という言葉です。3つの「店」が関わるのでこう呼ばれます。

賞品はホール、交換所、問屋の順にまわり、ホール自身は現金を出さず、賞品も買い取りません。
- パチンコ店(ホール):客は遊技で得た玉やメダルを、店で賞品に換えます。こうした賞品は、一般に「特殊景品」と呼ばれます。
- 景品交換所:客は店の外にある、店とは別の業者の窓口で、その賞品を売って現金に換えます。
- 景品問屋:交換所が買い取った賞品を、別の業者が引き取り、ふたたびパチンコ店に卸します。
この形なら、店は現金を出さず(第23条第1項第1号)、自分で賞品を買い取ることもない(第2号)、という説明になります。「三店方式」という言葉は、法律の条文には出てきません。
政府はどう説明しているか
三店方式については、国会で何度か質問が出されています。政府の答弁書の内容は次のとおりです。
2014年11月の答弁書 御指摘の「三店方式」の意味するところが必ずしも明らかでないが、ぱちんこ屋等の営業者が、その営業に関し、現金若しくは有価証券を賞品として提供し、又は客に提供した賞品を買い取った場合には、これらの行為を禁止した風営法第二十三条第一項第一号又は第二号違反となるほか、刑法の賭博罪等が成立する場合もあり得ると考えられる。
2017年6月の答弁書 ぱちんこ屋の営業者以外の第三者が、ぱちんこ屋の営業者がその営業に関し客に提供した賞品を買い取ることは、当該第三者が当該営業者と実質的に同一であると認められる場合には、風営法第二十三条第一項第二号違反となることがあると考えられる。
ここから読み取れるのは、次の2点です。
- 政府は、三店方式そのものを「合法」と認めたわけではなく、「意味するところが必ずしも明らかでない」としています。
- 店が自分で換金すれば違法で、賭博罪になる場合もありえます。交換所が店と「実質的に同一」なら、別の業者の形をとっていても違法になりえます。
三店方式は、店と交換所と問屋がそれぞれ独立していることを前提に運用されている仕組みであり、その位置づけは今も議論が続いています。
店舗数と台数は減り続けている
警察庁の統計によると、ぱちんこ営業の許可数(営業所数)は毎年減っています。
| 年末 | ぱちんこ営業の許可数 | 遊技機の台数(合計) | うちパチンコ機 | うちパチスロ機 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 8,458件 | 3,814,173台 | 2,338,294台 | 1,475,703台 |
| 2022年 | 7,665件 | 3,564,039台 | 2,205,332台 | 1,358,568台 |
| 2023年 | 7,083件 | 3,425,246台 | 2,077,641台 | 1,347,466台 |
| 2024年 | 6,706件 | 3,325,890台 | 1,969,913台 | 1,355,839台 |
| 2025年 | 6,464件 | 3,234,357台 | 1,872,041台 | 1,362,177台 |
5年間で営業所は約24%減り、パチンコ機は約47万台減りました。一方、パチスロ機の台数は2022年以降ほぼ横ばいです。パチスロの仕組みは「スロットの仕組み」、メダルを使わない新しいパチスロ機は「スマスロとは?」で解説しています。
18歳未満は入れない
風営法第22条は、パチンコ店などの風俗営業者に、18歳未満の人を客として営業所に立ち入らせることを禁じています。パチンコ店の入口に年齢の表示があるのはこのためです。
パチンコとほかの賭け事の違い
| 比べる点 | パチンコ・パチスロ | 公営競技・宝くじ | オンラインカジノ |
|---|---|---|---|
| 法律上の扱い | 風営法で許可された「遊技」 | 専用の法律にもとづく合法な賭け事 | 日本国内からの利用は賭博罪 |
| 出てくるもの | 賞品(現金は出ない) | 払戻金・当せん金(現金) | ― |
| 年齢 | 18歳未満は入店できない | 公営競技は20歳未満不可、スポーツくじは19歳未満不可 | ― |
| 監督 | 都道府県の公安委員会(警察) | 各省庁・自治体など | 日本の監督の外 |
公営競技は「公営ギャンブルとは?」、宝くじは「宝くじ・スポーツくじ」、オンラインカジノは「オンラインカジノは違法?」で解説しています。
のめり込みに注意
ギャンブル等依存症対策基本法は、公営競技とならんで「ぱちんこ屋に係る遊技」も対象に含めています。遊ぶ金額と時間をあらかじめ決め、負けを取り戻そうとして続けないことが大切です。やめたいのにやめられないと感じたら、各地の精神保健福祉センターで本人も家族も無料で相談できます。相談先は「ギャンブル依存症の相談先ガイド」にまとめています。