結論:利用者も検挙されている
「海外のサイトだから捕まらない」「利用者まで逮捕されることはない」という話は誤りです。警察庁は、海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪だとしています。そして実際に、利用者の検挙は急増しています。
検挙者数の推移
警察庁の公表資料によると、2025年にオンライン上で行われる賭博事犯の検挙は165事件、317人で、前年より38人増えました。そのうち、自宅などからスマートフォンなどでオンラインカジノにアクセスする「無店舗型」は158事件、221人で、その内訳は運営等(決済代行業者やアフィリエイターを含む)が25人、賭客(利用者)が196人です。
その前年、2024年は62件、279人(『令和7年版 警察白書』)で、無店舗型は55件、227人と、2023年の5件、32人から大きく増えていました。
| 年 | 検挙人員(全体) | うち無店舗型 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 59人 | ― | 栃木県警察の公表資料 |
| 2023年 | 107人 | 32人 | 警察白書(無店舗型は前年比から算出) |
| 2024年 | 279人 | 227人 | 令和7年版 警察白書 |
| 2025年 | 317人 | 221人(うち賭客196人) | 警察庁「令和7年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」 |
全体の数には、無店舗型のほか、違法な賭博店に置かれたパソコンなどからオンラインカジノにアクセスさせて賭博をさせる、店舗型の事件も含まれます。2024年は検挙された人の8割以上、2025年も約7割が、店ではなく自宅などから賭けていた事件の関係者でした。
誰が検挙されているのか
警察庁は、オンラインカジノに関する検挙事例として、次のような例を紹介しています。
| 検挙された人 | 内容 | 罪名 |
|---|---|---|
| 利用者 | 自宅のパソコンから海外の会社のオンラインカジノに接続し、サイトのディーラーを相手に賭けた | 賭博罪 |
| 運営者 | 日本国内の客に、海外のサーバー上のオンラインカジノで金銭を賭けさせていた | 常習賭博罪(客は賭博罪) |
| 運営者 | 日本国内で、海外のサーバー上のオンライン賭博サイトを運営していた | 賭博場開張等図利罪 |
| 決済代行業者 | 収納代行を装い、カジノへの賭け金を自分の口座に入金させた | 組織犯罪処罰法違反 |
| アフィリエイター | 海外のカジノと契約し、動画配信サイトなどで利用を勧誘した | 常習賭博幇助罪 |
警察白書は、警察が賭客の検挙だけでなく、賭博の運営にかかわって不正な利益を得ている決済代行業者やアフィリエイターなどを、常習賭博罪や組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)などで検挙していると説明しています。
報じられた主な事例
| 時期 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 2024年9月 | 埼玉県警が、動画配信サイトなどで海外のオンラインカジノの利用を勧誘していたアフィリエイターを、常習賭博幇助の疑いで逮捕。運営側と同様の契約をしている勧誘者の逮捕は全国で初めてと報じられた。勧誘されて賭けた利用者も逮捕された | 埼玉新聞 |
| 2024年11月 | 警視庁が、暗号資産を使って海外のオンラインカジノで賭けた利用者10人を、単純賭博の疑いで書類送検。暗号資産の追跡ツールで利用者を特定したのは全国初とされ、24都府県警が同年9月以降に計57人を摘発したと報じられた | 日本経済新聞 |
| 2025年1月 | 海外オンラインカジノの決済代行業者による常習賭博事件の検挙(大阪) | 令和8年版 警察白書 |
| 2025年8月 | 海外オンラインカジノのアフィリエイターによる常習賭博幇助事件の検挙(岐阜) | 令和8年版 警察白書 |
このページでは、検挙された個人の名前は掲載していません。
利用者はどうやって特定されるのか
警察白書によると、警察は、決済代行業者やアフィリエイターへの捜査や徹底的な情報分析によって、お金の流れやマネー・ローンダリングの実態解明を進めています。利用者の入出金は決済代行業者などを通ることが多く、その記録が利用者の特定につながることがあります。
2024年には、警視庁が暗号資産の追跡ツールを使って利用者を特定したと報じられています。銀行振込でも、電子決済サービスでも、暗号資産でも、お金の流れは記録に残ります。
刑罰
| 罪 | 条文 | 対象 | 法定刑 |
|---|---|---|---|
| 賭博罪 | 刑法第185条 | 賭博をした人(利用者) | 50万円以下の罰金又は科料 |
| 常習賭博罪 | 刑法第186条第1項 | 常習として賭博をした人 | 3年以下の拘禁刑 |
| 賭博場開張等図利罪 | 刑法第186条第2項 | 賭博の場を開いて利益を得た人 | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
| 常習賭博幇助罪 | 刑法第186条第1項・第62条・第63条 | 常習賭博を手助けした人(決済代行、アフィリエイトなど) | 常習賭博罪の刑を減軽して適用 |
逮捕は容疑者の身柄を拘束する手続きで、書類送検は身柄を拘束せずに捜査の書類や証拠を検察官に送る手続きです。どちらの場合も、起訴するかどうかは検察官が判断します。くわしい罪と刑罰の説明は「オンラインカジノは違法?」をご覧ください。
すでに利用してしまった場合
まず、それ以上の入金や賭けをやめることが大切です。負けを取り戻そうとして続けるほど、金銭面でも法的にも状況は悪くなります。
- 法律の相談:法テラス・サポートダイヤル 0570-078374、各地の弁護士会
- 出金トラブル・詐欺:消費者ホットライン188、警察相談専用電話#9110
- やめられない、借金が増えた:各地の精神保健福祉センター(本人も家族も無料)。相談先は「ギャンブル依存症の相談先ガイド」
2025年9月からは、オンラインカジノのサイトを紹介したり、利用を誘ったりする情報の発信も法律で禁止されています。くわしくは「オンラインカジノは違法?」で解説しています。