スマスロとは:メダルを電子的に管理するパチスロ
スマスロは「スマートパチスロ」の略で、メダルを実際に使わずに遊ぶパチスロ機です。メダルの貸し出し、獲得、遊技に使う分のすべてを電子的に記録し、台の横に取り付けられた専用のユニットに手持ちのメダル数が表示されます。
警察庁の解釈基準では、こうした台を「遊技メダルの貸出若しくは入賞による獲得又は遊技メダルを遊技の用に供することを電磁的方法のみにより行う遊技機」と表現しています。実物のメダルがなくなっても、ゲームの中身はパチスロそのものです。
業界団体の日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)の年表によると、スマスロの導入は2022年11月に始まりました。パチンコ版の「スマパチ」も、2023年4月に導入が始まっています。
遊び方:メダルの代わりに「数字」で遊ぶ
- 台の横の専用ユニットに、現金や店の会員カードを入れる
- 貸し出されたメダルの数が、ユニットに数字で表示される
- その数字を使ってゲームを回し、当たって増えたメダルも数字として加算される
- 終わるときは、持ちメダルを専用のカードなどに記録し、店の案内に従って精算する
実物のメダルを扱わないため、メダルを運ぶ箱(ドル箱)も使いません。
従来のメダル機との違い
| 比べる点 | 従来のメダル機 | スマスロ |
|---|---|---|
| メダル | 実物のメダルを使う | 電子的に記録(実物なし) |
| 持ちメダルの表示 | 受け皿やドル箱 | 台横の専用ユニットに数字で表示 |
| 有利区間のゲーム数の上限 | 機種の世代により上限あり | 上限なし(業界の取り決め) |
| その日の最低獲得枚数からの増加による停止 | なし | コンプリート機能(19,000枚) |
| 出玉性能の規則上の範囲 | 国家公安委員会規則で上限・下限あり | 同じ規則の範囲内 |
「有利区間」とは、出玉が増えやすい状態が続く区間のことです。この区間のゲーム数や出玉には、法律ではなく業界団体の内部ルールで上限が設けられてきました。スマスロではゲーム数の上限がなくなった一方、一日の出玉が大きく偏りすぎないように、後で説明するコンプリート機能が設けられています。
コンプリート機能:その日の最低獲得枚数から19,000枚増えると止まる
コンプリート機能とは、その日の獲得枚数が最も少なくなった時点から19,000枚増えると、その台の当日の遊技が止まる仕組みです。たとえば、いったん5,000枚のマイナスまで減ってから、プラス14,000枚まで増えた時点で止まります。これは法律ではなく、業界団体の自主的な取り決めです。
警察庁の解釈基準は、遊技を途中で止める機能そのものを禁じてはいませんが、止まる条件に達する前に、条件までどれだけ近づいているかを遊技者に知らせる措置を求めています。
業界紙の報道によると、業界団体は、2026年4月以降に稼働する新しいスマスロについて、コンプリート機能が働く割合が基準を超えた機種を自主的に回収する取り決めも設けています。
「勝ちやすい」は本当か
スマスロだからといって、遊技者が勝ちやすくなるわけではありません。パチスロの出玉性能は、スマスロでも従来機でも、国家公安委員会規則で決められた上限と下限の範囲で作られています。
- どれだけ出るかは、機種ごとの設計と、店が選ぶ「設定」で変わります
- 遊技者は設定を変えることができず、どの台が何の設定かを外から確かめることもできません
- 長く遊ぶほど、店の取り分の分だけ遊技者の損が積み重なる構造は変わりません
設定や機械割、天井の仕組みは「スロットの仕組み」でくわしく解説しています。
スマスロはどれくらい広がっているのか
警察庁の統計によると、2025年末の時点で全国のパチンコ店に設置されている遊技機は約323万台で、そのうちパチスロ機は約136万台です。スマスロの台数や割合は、警察庁の統計では公表されていません。
法律上の扱い:パチンコ店の遊技機として合法
パチンコ店は、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)にもとづいて、都道府県の公安委員会の許可を受けて営業しています。スマスロも、国家公安委員会規則の基準を満たし、検定を受けた遊技機として設置されています。
ただし風営法は、店が現金や有価証券を賞品として出すことや、客に出した賞品を買い取ることを禁じています。パチンコ店の出玉が賞品に交換され、さらに店の外で換金される「三店方式」の仕組みは「パチンコはなぜ合法?」で解説しています。
のめり込みに注意
ギャンブル等依存症対策基本法は、公営競技とならんで「ぱちんこ屋に係る遊技」も対象に含めています。スマスロでは出玉を数字でしか見ないので、遊ぶ金額と時間をあらかじめ決めておくことが大切です。やめられないと感じたら、早めに相談してください。
各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターでは、本人も家族も無料で相談できます。最寄りの窓口は依存症対策全国センターのサイトで探せます。相談先の一覧は「ギャンブル依存症の相談先ガイド」にまとめています。