結論:海外カジノの勝ち金も、日本の税金の対象になりうる
日本の居住者には、海外で得た所得も含めて、日本の所得税が課されます。海外の合法なカジノで得た勝ち金も例外ではありません。「海外で勝ったお金だから日本の税金はかからない」という説明は誤りです。
国税庁の「一時所得」の説明(タックスアンサー No.1490)は、一時所得の例として、懸賞の賞金や、競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く)を挙げています。カジノの勝ち金について国税庁が個別に説明した資料は、当サイトでは見つけられませんでしたが、所得税法の定義からは、同じように一時所得にあたると考えられます。
| 所得の種類 | 日本の所得税での扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 海外の合法なカジノの勝ち金 | 課税の対象になりうる(一時所得と考えられる) | 所得税法第34条の定義、国税庁 No.1490の例 |
| 競馬・競輪などの払戻金 | 一時所得(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く) | 国税庁 No.1490 |
| 宝くじの当せん金 | 課税されない | 当せん金付証票法第13条 |
| 日本国内からオンラインカジノで賭けること | 税金以前に、賭けることが賭博罪 | 刑法第185条、警察庁 |
一時所得とは
所得税法第34条は、一時所得を、利子所得・配当所得・給与所得など、ほかの所得にあてはまらないもののうち、営利を目的とする継続的な行為から生じたものではない一時の所得で、働いた対価や物を売った対価としての性質がないもの、と定めています。たまたま得た賞金や払戻金が、その典型です。
一時所得の計算方法
国税庁の説明と所得税法によると、一時所得の金額と、税額の計算に使う金額は、次のように求めます。
計算式 一時所得の金額 = 総収入金額 − 収入を得るために支出した金額 − 特別控除額(最高50万円)
- 1年間の一時所得の総収入金額から、その収入を得るために支出した金額を引きます。差し引けるのは、収入を生じた行為をするため、または収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限られます(第34条第2項)。
- 残った金額から、特別控除として最高50万円を引きます(第34条第3項)。
- 求めた一時所得の金額の2分の1を、給与所得などほかの所得と合計して、税額を計算します(第22条第2項第2号)。
たとえば、ほかの一時所得がない人が、1年間の一時所得の収入から、収入を得るために直接要した金額を差し引いた額が80万円だった場合、特別控除50万円を引いた30万円が一時所得の金額で、その2分の1の15万円がほかの所得と合計されます。これは計算の仕組みを示すための例で、実際の税額は所得の状況によって変わります。
確定申告が必要になる目安
国税庁のタックスアンサー No.1900によると、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる人は、給与所得と退職所得以外の所得の金額の合計が20万円を超える場合に、確定申告が必要です。一時所得がある場合にどの金額で判断するかは、国税庁の案内や税務署で確認してください。
給与を2か所以上から受けている人や、年金を受けている人などは、条件が異なります。自分の場合にあてはまるかどうかは、国税庁の案内や税務署で確認してください。
宝くじには税金がかからない
日本の宝くじの当せん金には、税金がかかりません。当せん金付証票法第13条は、「当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない」と定めています。宝くじの仕組みと、当せん金として戻る割合は「宝くじ・スポーツくじ」で解説しています。
一方、競馬や競輪の払戻金は、国税庁が一時所得の例に挙げています。同じ「合法なギャンブル」でも、税金の扱いは同じではありません(「公営ギャンブルとは?」)。
米国(ラスベガスなど)で勝った場合
米国の内国歳入庁(IRS)によると、外国人が米国で得た賭けの勝ち金には、原則として30%の税率で源泉徴収されます。ただし、ブラックジャック、バカラ、クラップス、ルーレット、ビッグシックスホイールの勝ち金には課税されません。また、日本の居住者の賭けの所得は、日米租税条約により米国では課税されません。この扱いを受けるには、書類(W-8BEN)を支払う側に提出する必要があります。
日米租税条約は、こうした所得をその人が住む国で課税するとしています。米国で課税されないことは、日本でも課税されないという意味ではありません。ラスベガスのカジノのルールは「ラスベガスのカジノ」で紹介しています。
大阪IRのカジノの勝ち金は
大阪IRは2030年秋頃の開業をめざしています。そのカジノの勝ち金の扱いについて、政府の答弁書(2021年6月4日)は、観光庁が、外国人旅行者などの非居住者のカジノの勝ち金について、国内の公営ギャンブルの勝ち金が「一時所得として確定申告」で課税され、源泉徴収が行われていないことをふまえ、少なくともこれと同等に源泉徴収を行わないよう要望した文書だったと説明しています。
日本の居住者が大阪IRのカジノで得た勝ち金の扱いを明示した公的な資料は、当サイトでは確認できませんでした。開業が近づき、扱いが示されたら、このページを更新します。大阪IRの入場のルールは「大阪IRとは?」で解説しています。
オンラインカジノの勝ち金は「税金以前」の問題
日本国内からオンラインカジノで賭けることは、刑法第185条の賭博罪にあたります。警察庁は、海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪だとしています。勝ったかどうかにかかわらず違法で、税金を払えば許されるものでもありません。
当サイトは、違法なサイトでの勝ち金の税金について、個別の判断は示しません。オンラインカジノの違法性は「オンラインカジノは違法?」で、すでに利用してしまった場合の相談先は「ギャンブル依存症の相談先ガイド」で紹介しています。
このページは一般的な解説で、税務の相談ではありません。具体的な計算や申告については、税務署や税理士に確認してください。